室房伝導とは?

室房伝導(ventriculoatrial conduction)

室房伝導とは、心室から心房へ逆方向に電気刺激が伝わる現象のことです。通常の心臓の電気の流れは心房から心室へ向かう房室伝導ですが、これとは逆の心室から心房への逆行性伝導を室房伝導と呼びます。室房伝導の経路は大きく房室結節経由と副伝導路経由に分けられます。

室房伝導(ventriculoatrial conduction)
室房伝導とは、心室から心房へ逆方向に電気刺激が伝わる現象のことです。通常の心臓の電気の流れは心房から心室へ向かう房室伝導ですが、これとは逆の心室から心房への逆行性伝導を室房伝導と呼びます。室房伝導の経路は大きく房室結節経由と副伝導路経由に分けられます。

心電図所見

房室結節経由の室房伝導

室房伝導(ventriculoatrial conduction)
文献1より 心室期外収縮後の室房伝導

房室結節経由の室房伝導は心電図では逆行性P波として出現します。QRS波の直後のST部分やT波の内部に下壁誘導(II誘導・III誘導・aVF誘導)で陰性P波が現れます。通常の洞性P波は下壁誘導で陽性なのでP波は逆向きになっています。

室房伝導(ventriculoatrial conduction)
房室結節経由の室房伝導は心電図では逆行性P波として出現します。QRS波の直後のST部分やT波の内部に下壁誘導(II誘導・III誘導・aVF誘導)で陰性P波が現れます。通常の洞性P波は下壁誘導で陽性なのでP波は逆向きになっています。

心室の興奮が房室結節を逆方向に伝導して心房に到達します。正常な心臓では、房室結節の不応期が長いため心室から心房への逆伝導はほとんど起こりませんが、不応期を脱したタイミングで発生した心室期外収縮や心室ペーシングにおいて室房伝導が見られます。房室結節を通過するので伝導時間が比較的長く(通常100-200ms以上)なります。

室房伝導(ventriculoatrial conduction)
心室の興奮が房室結節を逆方向に伝導して心房に到達します。正常な心臓では、房室結節の不応期が長いため心室から心房への逆伝導はほとんど起こりませんが、不応期を脱したタイミングで発生した心室期外収縮や心室ペーシングにおいて室房伝導が見られます。房室結節を通過するので伝導時間が比較的長く(通常100-200ms以上)なります。

副伝導路経由の室房伝導

室房伝導(ventriculoatrial conduction)
文献2より 房室回帰性頻拍での室房伝導

副伝導路経由の室房伝導は心電図ではQRS波の直後のST部分やT波の内部に下壁誘導(II誘導・III誘導・aVF誘導)で陽性P波が現れます。通常の洞性P波は下壁誘導で陽性なのでP波は同じ向きになっています。左側副伝導路の室房伝導ではⅠ誘導が陰性P波、aVR誘導、V1誘導が陽性P波になる傾向があります。

室房伝導(ventriculoatrial conduction)
副伝導路経由の室房伝導は心電図ではQRS波の直後のST部分やT波の内部に下壁誘導(II誘導・III誘導・aVF誘導)で陽性P波が現れます。通常の洞性P波は下壁誘導で陽性なのでP波は同じ向きになっています。左側副伝導路の室房伝導ではⅠ誘導が陰性P波、aVR誘導、V1誘導が陽性P波になる傾向があります。

副伝導路(ケント束)を通って心室から心房へ興奮が直接伝わる場合、房室結節と比較すると伝導時間が短く(通常50-100ms以内)、減衰伝導が起こりにくいです。WPW症候群では副伝導路経由の室房伝導が原因で房室回帰性頻拍(AVRT)が発生します。

参考文献

1)Electrocardiographic and electrophysiological characteristics of premature ventricular complexes associated with left ventricular dysfunction in patients without structural heart disease. Europace. 2013 May;15(5):735-41.

2)2015 ACC/AHA/HRS guideline for the management of adult patients with supraventricular tachycardia: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines and the Heart Rhythm Society. Heart Rhythm. 2016 Apr;13(4):e136-221.

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