左室補助人工心臓とは?

左室補助人工心臓(left ventricular assist device:LVAD)

左室補助人工心臓(LVAD)は、重症心不全患者の左室から血液を脱血し、大動脈へ送血することで循環を補助する機械的補助装置です。現在主流の連続流型LVADでは内部の回転ポンプによって血液を送り出すため、その駆動に伴う電磁的・機械的干渉が心電図にアーチファクトとして記録されることがあります1)。LVAD装着患者ではアーチファクトが存在しても真の不整脈が合併している可能性があるため、規則的な振動をすべて機械的ノイズと判断しないことが重要です。

心電図所見

左室補助人工心臓(left ventricular assist device:LVAD)
文献2より LVADのアーチファクト

心電図上では、基線に重なる規則的な高周波振動や細かな鋸歯状の波形として認められます。アーチファクトの周波数はポンプの回転数や装置の構造に影響され、回転数に関連した周波数成分や高調波が出現することがあります。また、心電計のサンプリング周波数やフィルタ処理によって波形の見え方が変化し、実際のポンプ回転周波数とは異なる低周波の振動として表示される場合もあります3)。これらのアーチファクトは、心房粗動、心房細動、心室頻拍などの不整脈と誤認される可能性もあります。

参考文献

1)Electrocardiographic artifact. J Electrocardiol. 2021 Jan-Feb;64:23-29.

2)Left Ventricular Assist Device Artifact: Seeing Through the Noise. Circulation. 2020 Aug 18;142(7):705-707.

3)Reducing ECG Artifact From Left Ventricular Assist Device Electromagnetic Interference. J Am Heart Assoc. 2020 Aug 18;9(16):e017563.

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