洞不全症候群(sick sinus syndrome)
洞不全症候群は洞結節の機能不全により徐脈となることで失神や息切れなどの症状が生じます。洞不全症候群は心電図異常と臨床症状が存在しなければなりません1,2)。そのため、徐脈のみで症状がない場合は洞不全症候群とは診断できません。
Rubenstein分類
洞不全症候群の分類方法であり、1972年にRubensteinが提唱しました3)。
・Ⅰ群:心拍数50回/分未満の持続的で原因不明の極度の洞性徐脈
・Ⅱ群:洞停止または洞房ブロックを少なくとも1回認める
・Ⅲ群:発作性心房頻拍、心房粗動、心房細動のいずれかの上室性頻拍を少なくとも1回認め、I群またはII群のいずれかの徐脈を呈する
・Ⅱ群:洞停止または洞房ブロックを少なくとも1回認める
・Ⅲ群:発作性心房頻拍、心房粗動、心房細動のいずれかの上室性頻拍を少なくとも1回認め、I群またはII群のいずれかの徐脈を呈する
症状
症状は心拍出量低下による症状と一過性脳虚血による症状に分けられます。心拍出量低下では息切れや全身倦怠感、一過性脳虚血ではめまいや失神が生じます。
息切れや全身倦怠感は洞性徐脈、めまいや失神は洞停止や洞房ブロックに多く、動悸後のめまいや失神は徐脈頻脈症候群に特徴的です。
参考文献
1)Sick sinus syndrome: synopsis. J Am Coll Cardiol. 2014 Aug 12;64(6):539-40.
2)Sick sinus syndrome: a review. Am Fam Physician. 2013 May 15;87(10):691-6.
書籍
ほぼ初めての心電図 P182-183