異常自動能とは?

異常自動能(abnormal automaticity)

特殊心筋である刺激伝導系とは異なり、固有心筋である心房筋や心室筋細胞は外部からの刺激がなければ興奮せず、通常は自発的に興奮することはありません。しかし、さまざまな原因で静止膜電位が浅くなると緩徐拡張期脱分極が生じて自発興奮が発生し、これを異常自動能と呼びます。

異常自動能(abnormal automaticity)

異常自動能から発生する活動電位の立ち上がりには,Ca2+電流(ICa)が重要な役割を果たします。

異常自動能(abnormal automaticity)

低カリウム血症や心筋虚血では静止膜電位が浅くなり、心室筋の異常自動能を機序とする自発興奮が発生することがあります。心筋梗塞急性期に見られる促進型心室固有調律は異常自動能が原因とされています。

異常自動能(abnormal automaticity)

warm up現象、cool down現象

文献1より 心房頻拍におけるwarm up現象、cool down現象

自動能亢進による頻拍では開始時と停止時に特徴があります。頻拍開始時に徐々に心拍数が上昇していく現象をwarm up現象、頻拍停止時に徐々に心拍数が低下していく現象をcool down現象と呼びます。これに対して、リエントリー性頻拍では突然頻拍が発症して心拍数が上昇してほぼ一定になり、突然停止して心拍数が低下します。

異常自動能(abnormal automaticity)
自動能亢進による頻拍では開始時と停止時に特徴があります。頻拍開始時に徐々に心拍数が上昇していく現象をwarm up現象、頻拍停止時に徐々に心拍数が低下していく現象をcool down現象と呼びます。これに対して、リエントリー性頻拍では突然頻拍が発症して心拍数が上昇してほぼ一定になり、突然停止して心拍数が低下します。

これらの現象は異所性自動能を機序とする心房頻拍促進型心室固有調律などで見られます。

参考文献

1)Classical warm up phenomenon of atrial tachycardia. Emergency Care Journal 2015; 11:5148

書籍

抗不整脈薬の考え方、使い方 P73-75

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