Chapman’s sign

Chapman’s sign(チャップマンサイン)は、左脚ブロックを伴う心筋梗塞の診断基準として、1957年にChapmanにより初めて報告されました1)。R波のノッチを特徴とする心電図所見であり、もう一人の報告者であるPearceの名前と合わせて「Chapman-Pearce sign」とも呼ばれます。
心電図所見
Chapman’s signの定義は以下の通りです1)。
・I、aVL、V6誘導のR波の上行部分の50msec以上のノッチ

Chapmanの元の論文ではノッチの幅を定めておらず、後の論文で50msecが追加されました。報告によってR波のノッチの幅が40msecの場合もあり、測定部位も明確には統一されていません。
臨床的意義
左脚ブロックや右室ペーシングがある場合、二次性ST-T変化により心筋梗塞のST変化が隠れてしまい診断が難しくなります。Chapman’s signは、こうした状況で心筋梗塞の存在を示唆する所見として提唱されました。

Chapman’s signは判断の難しいST部分ではなく、QRS波の形状に着目しています。左脚ブロックのみでは生じない、心筋梗塞由来のR波の波形変化を捉えています。

Chapman’s signは感度は低いですが、特異度は高いです3)。そのため、Chapman’s signが見られた場合は心筋梗塞の可能性が高くなります。ただし、単独での診断能は限定的で、Sgarbossa’s criteriaやCabrera’s Signなど他の所見と合わせて総合的に判断するのが一般的です4)。
参考文献
4)What is Chapman’s sign? J Electrocardiol. 2024 Nov-Dec;87:153811.
書籍
Chou’s Electrocardiography in Clinical Practice chapter4



