冠性T波とは?

冠性T波(coronary T wave)

冠性T波(coronary T wave)
文献1より V1-4に冠性T波

冠性T波とは、心筋虚血などで認められる左右対称の陰性T波のことです。冠動脈疾患でよく見られることから冠性と名付けられています。心筋梗塞でも冠性T波が認められますが、これは壊死した部分だけでなく周囲の心筋にも虚血が生じているためです。

冠性T波(coronary T wave)

冠性T波は心筋梗塞が発生した後から現れますが、時間が経過すると正常に戻る場合もあります。心筋梗塞の部位や程度によって、T波の変化は異なります。

メカニズム

冠性T波(coronary T wave)

虚血にさらされると局所の心筋細胞の活動電位持続時間が短縮します2)。心内膜側の心筋細胞の活動電位持続時間が短縮すると心外膜から心内膜の方向へ起電力が生じるのでT波が陰性波となります。

冠性T波(coronary T wave)

参考文献

1)Electrocardiographic T-wave inversion: differential diagnosis in the chest pain patient. Am J Emerg Med. 2002 May;20(3):252-62.

2)Determinants of persistent negative T waves and early versus late T wave normalisation after acute myocardial infarction. Heart. 2005 Aug;91(8):1008-12.

書籍

タイトルとURLをコピーしました