間入性心室期外収縮(interpolated premature ventricular contraction)
間入性心室期外収縮は心室性期外収縮の一種であり、「間入性」という文字が表すように、洞調律による周期の間に心室期外収縮が入り込んだものになります。
心室期外収縮では、心室の興奮が逆行性に伝導して房室結節に向かいます。この逆行性の興奮は房室結節の中を通る間に減弱・消失して心房に伝導できない場合が多いです(潜行伝導)。同時に伝導してきた部分は不応期となります。
間入性心室期外収縮では、逆行性伝導による刺激伝導系の不応期から回復する時間があるため、次の洞調律の順行性の伝導が可能となります。
逆行性伝導による刺激伝導系の不応期から回復する時間が不十分であり、洞結節からの興奮が房室結節の相対不応期の間に伝わると伝導時間が遅れることでPR間隔延長をきたすことがあります。
心室期外収縮からの逆行伝導による房室結節の絶対不応期の影響で洞調律が妨げられた場合が「代償性休止」となります。
参考文献
1)The role of interpolation in PVC-induced cardiomyopathy. Heart Rhythm. 2011 Jul;8(7):1046-9.←間入性心室期外収縮が脈拍数に関係なくPVC誘発心筋症を発症させる。
書籍
心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習 P123-126