QT間隔(QT interval)
QT間隔とは、Q波の始まりからT波の終わりまでを指します。T波の始まりまでではありません。QT間隔はQT時間とも呼ばれています。
心室筋の活動電位が始まってから終了するまでの時間である活動電位持続時間を表しています。
T波の終わり
QT間隔はT波の終わりまでですが、場合によってはT波の終わりが分かりにくいことがあります。そこでT波の終わりを決める方法が存在しています。
・閾値法 Threshold method
接線法(Tangent method)
接線法によるT波の終末は、T波の終末辺の最も傾斜が急な点での接線が基線と交差する点と定義されます。傾斜が一番急な点での接線なので、接線の傾きも最も急になります。この方法は観測者間のずれが少ないとされています。
閾値法(Threshold method)
閾値法では、T波の終末と基線が交わる点がT波の終点と定義されます。U波が存在する場合は、基線と並行な線との交点がT波の終末となります。
QT短縮
一般的にはQTc330-340msec以下をQT短縮と呼びます。QT短縮の原因は一次性と二次性に分類できます。一次性はQT短縮症候群、二次性は電解質異常や薬物などがあります2)。
QT延長
一般的にはQTc440msec以上をQT延長と呼びます。QT延長の原因は一次性と二次性に分類できます。一次性は先天性QT延長症候群、二次性は徐脈、電解質異常、中枢神経疾患などがあります3)。
参考文献
1)Determination and Interpretation of the QT Interval. Circulation. 2018 Nov 20;138(21):2345-2358.
2)Short QT syndrome: from bench to bedside. Circ Arrhythm Electrophysiol. 2010 Aug;3(4):401-8.
3)遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン (2017 年改訂版)
書籍
初めての心電図 P106-107