頻脈依存性脚ブロック(Tachycardia-dependent bundle branch block)
心拍数の増加によって引き起こされる一過性脚ブロックは、頻脈依存性脚ブロックと呼ばれます。頻脈依存性脚ブロックは心拍数が特定の臨界値を超えると発生します1)。
心拍数依存性左脚ブロックの出現はほとんどの患者で突然であり2)、一旦発症すると誘発した心拍数よりも遅くなるまで持続します。この臨界心拍数は、心拍数の変化率にも依存します3)。心拍数が急激に増加すると、脚ブロックはより低い心拍数で現れます。脚ブロックが急速に減少すると、より速い心拍数で正常伝導が現れます。
心拍数依存性左脚ブロックは左脚ブロックと同様に高血圧や冠動脈疾患のある患者に発生します1)。
心電図所見

心拍数依存性脚ブロックでは脚の不応期が延長しており、心拍数が速くなっても通常は延長した不応期は短縮しません1)。

心拍数が増加するとRR間隔が短縮し、心房からの興奮がまだ不応期にある脚の1つに到達して脚ブロックとなります。心拍数が低下すると、心房からの興奮は脚の不応期を過ぎてから到達するようになり、正常な伝導が再開されます。
