ファロー四徴症(Tetralogy of Fallot:TOF)

ファロー四徴症は心室中隔欠損、大動脈騎乗、肺動脈狭窄、右室肥大を四徴とする先天性心疾患です。心室中隔欠損の程度が大きく、右室と左室の圧が等しくなります。右室はもともと左室より低圧ですが、等圧になることで正常の右室圧より高い状態となるため圧負荷がかかります。これにより四徴の一つである右室肥大を呈します。

心電図所見

右室の圧負荷を反映する心電図所見が見られます。
右軸偏位
右室の圧負荷により右室肥大を来すため電気軸は右軸偏位となります1)。

右室肥大
右室の圧負荷により右室肥大を来すため右側胸部誘導のR波増高とストレインT波が見られます1)。乳児期には陽性T波の場合もあり、年齢とともに右室肥大が進行するとT波が陰転化してストレインT波が見られるようになります。

QRS fragmentation

前胸部誘導におけるQRS fragmentationは、術後のファロー四徴症患者における右室機能障害および右室流出路瘤と関連することが示されています3)。成人のファロー四徴症患者ではQRS fragmentationの存在は独立した全死亡の予測因子であったと報告されています4)。
参考文献
1)Congenital heart disease in adults. Second of two parts. N Engl J Med. 2000 Feb 3;342(5):334-42.
参考文献
心電図パーフェクトマニュアル P350-351
小児心電図テクニカルガイド P49-50

