急性心膜炎(acute pericarditis)
心膜に炎症が起きる疾患であり、様々な要因で引き起こされる急性心膜炎は、感染性または非感染性の病因によって引き起こされる心膜の炎症性疾患です。
心膜炎 - 04. 心血管疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
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心電図所見
心電図の変化は、心外膜と隣接する心筋の炎症に由来しています。心電図変化は急性心膜炎の患者の全員ではなく約60%にのみ見られます。心電図は以下のように4つの段階を経て変化していきます。
ST上昇
心膜炎では広範な誘導でSTが上昇します。
心内膜側を反映するaVR誘導ではST低下を認めます。
PR低下
急性心膜炎におけるPRセグメント変化は、心房筋の炎症に起因することが示されています2)。
傷害されやすい心房筋は心室に対して右後上方にあるためaVR誘導でPR上昇、他の誘導でPR低下を認めます。
PR低下はST上昇に先行して出現することがあります3)。
Spodick’s Sign
Spodick徴候は、II誘導とV5、6で最もよく描出されるTPセグメントの下降傾斜を指します。これは1974年にDavid Spodick博士によって初めて報告5)され、急性心膜炎患者の約29%に認められます6)。
参考文献
4)Spodick’s Sign: A Case Report and Review of Literature. Cureus. 2020 Nov 21;12(11):e11606.