洞調律とは?

洞調律(sinus rhythm)

洞調律(sinus rhythm)

洞調律とは洞結節から発生する興奮が伝導することで形成される調律のことです。洞結節以外からの興奮は洞調律とは呼びません。例えば、調律の元となる興奮が心房由来であれば異所性心房調律、心室由来であれば心室調律などがあります。

洞調律(sinus rhythm)

洞結節は右心房の上部にあります。これは、生理学的なペースメーカーの中で最も速いペースメーカーです。洞結節が電気的興奮を発生させると、右心房の周囲の細胞が脱分極します。その後、左心房の細胞、房室結節がそれに続き、最後に心室がHis束・脚・プルキンエ線維を介して刺激され脱分極します。

洞調律(sinus rhythm)

洞結節由来の調律であれば洞調律となるため、広い意味では洞性徐脈、洞性頻脈、洞不整脈、房室ブロックも洞調律に含まれます。注意点としては正常洞調律と洞調律はイコールではありません。「正常」洞調律では心室への伝導含めて心電図所見が正常になります。

洞調律の基準

洞調律の基準は以下のとおりです。

・P波はI誘導、II誘導、aVF誘導では陽性、aVR誘導では陰性

洞調律では洞結節から房室結節に向かって興奮が伝導するので右上から左下の方向へ向かいます。そのためP波はⅠ誘導、Ⅱ誘導、aVF誘導で陽性になります。また、反対方向に位置しているaVR誘導ではP波は陰性になります。

洞調律(sinus rhythm)

参考文献

心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習 P13-14

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