MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロック(Mobitz typeⅡ second degree atrioventricular block)

MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロックはⅡ度房室ブロックの一つです。PQ間隔が一定のままQRS波が脱落します。


MobitzⅡ型では房室伝導障害により心房からの興奮が心室に伝わりにくくなっています。多くがヒス束以下のブロックであり、完全房室ブロックに移行する可能性が高いです。房室結節の異常であるWenckebach型2度房室ブロックとは違い、ヒス束以下では減衰伝導が関与しないためQRS波はPQ間隔が延長せずに突然脱落します。症状がなくてもペースメーカの適応としてはクラスⅡaとなります。

MobitzⅡ型の名称は1924年にMobitz博士がⅡ度房室ブロックをⅠ型とⅡ型に分類したことに由来します。ちなみにMobitzⅠ型はWenckebach型のことを指します。

心電図所見
QRS波の脱落
Ⅱ度房室ブロックでありQRS波が脱落します。QRS波が脱落するタイミングはP:QRSが「3:2」や「4:3」など様々です。

PQ間隔一定
MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロックではPQ間隔が一定であり突然QRS波が脱落します。洞結節に異常はないためPP間隔は一定です。

参考文献
書籍
今さら聞けない心電図 P142-145
心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習 P43-45