S1S2S3 pattern
S1S2S3パターンはI誘導、Ⅱ誘導、Ⅲ誘導にS波が存在している状態です。S1はI誘導のS波、S2はⅡ誘導のS波、S3はⅢ誘導のS波を表しています。心室筋の最終的な興奮が右上方向に向いている場合、I、II、III誘導にS波が出現します2)。
S1S2S3パターンにはさまざまな定義があります1)。
・I、II、III誘導それぞれにS波がある
・I、II、III誘導のいずれか1つ以上でS波の振幅≧R波の振幅
・I、II、III誘導のいずれか2つ以上でS波の振幅≧R波の振幅
・I、II、III誘導の3つ全てでS波の振幅≧R波の振幅
・I、II、III誘導のいずれか1つ以上でS波の振幅≧R波の振幅
・I、II、III誘導のいずれか2つ以上でS波の振幅≧R波の振幅
・I、II、III誘導の3つ全てでS波の振幅≧R波の振幅
I、II、III誘導の3つ全てでS波の振幅≧R波の振幅となる場合は電気軸は北西軸となります。
S1S2S3パターンは、肺塞栓症、慢性閉塞性肺疾患、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、および先天性心疾患のある小児における右室肥大3)などと関連していると言われています1,4)。しかしながら、健常人においても見られる所見であり、S1S2S3パターンのみでは病的意義は乏しいとも言われています。
参考文献
4)This Can Be as Easy as 1-2-3. JACC Case Rep. 2021 Sep 1;3(11):1382-1383.