洞室伝導(sinoventricular conduction)

高K血症時に洞結節の活動が継続していてもP波が完全に消失することがあります2)。心房筋の興奮が失われても洞結節は機能を維持し、心室への興奮伝導は保たれます。

洞室伝導では洞房結節から房室結節へと特殊な経路を通って興奮が伝導するので心房筋は興奮(脱分極)しません。心房が興奮しないのでP波は出現しませんが、房室結節へと興奮は伝導するためQRS波を認めます3)。この場合、P波消失+正常QRSで心拍数も正常に保たれ洞室調律と呼びます。
参考文献
3)Sinoventricular conduction. N Engl J Med. 1973 Dec 6;289(23):1238-9.