三環系抗うつ薬中毒(Tricyclic antidepressant poisoning)
特徴的な心電図所見は以下の通りです。
・QRSが100msec以上延長する
・QRSの形態異常(例:IとAVLのS波が深い、不鮮明)
・AVRにおけるR波とS波の大きさと比率の異常:AVRのR波は3mm以上、AVRのRとSの比率は0.7以上
・QRSの形態異常(例:IとAVLのS波が深い、不鮮明)
・AVRにおけるR波とS波の大きさと比率の異常:AVRのR波は3mm以上、AVRのRとSの比率は0.7以上
他の心電図所見には、
・PR間隔とQT間隔の延長
・His-Purkinje系のブロック
・心室内伝導遅延(例:束枝ブロック)
・His-Purkinje系のブロック
・心室内伝導遅延(例:束枝ブロック)
などがあります。
TCAの過量投与ではQT延長が一般的であるが、QT延長に伴う多形性心室頻拍である Torsade de Pointes(TdP)は発生しません。
QRS間隔が100msec未満の患者は発作や心室性不整脈を起こさず、QRS間隔が100msec以上の患者は26%の確率で発作を起こし、QRS間隔が160msec以上の患者は50%の確率で心室性不整脈を起こしました1)。
心室頻拍、心室細動はTCAの過量内服例の約4%に発生したとの報告もあります2)。
右脚は不応期が比較的長いため、TCAの過量内服によりブロックになりやすいです3)。
TCAの過量内服後にブルガダ型のパターンが報告されており、その発生率は2.3~15%でした4)5)。
TCAの過量内服により、心室内および心室間の伝導遅延による右心室の活性化の遅れは、前頭面QRSベクトルの末端40ミリ秒の右方向へのシフトを引き起こすことが示されています6)。
この伝導遅延は、I 誘導とaVL誘導では深くて不鮮明なS波、aVR誘導ではR波として現れます7)。