左室流出路 Left ventricular outflow tract : LVOT
基本的には、左心室内腔と連続している大動脈弁より前の領域です。
どこで左心室が終わり左室流出路が始まるかを機能的に定義するために使用できる特定の構造はありませんので、流出路を「僧帽弁の前尖の前にある左心室部分」と任意に定義しています。
左室流出路は以下の構造物で囲まれています
・流出路の前壁 → 心室中隔
・流出路の後壁 → 僧帽弁前尖
・流出路の後壁 → 僧帽弁前尖
心エコーでも重要な領域
心エコーではVTIを測定するための部位でもあり、収縮期には円筒形であると仮定されます(ただし、弛緩すると卵形になります)。
心拍出のすべてがこの左室流出路を通って左心室から排出されるため、LVOTの断面積と、測定されたVTI(速度-時間積分)を組み合わせて、心拍出量を計算するために使用することができます。