permanent form of junctional reciprocating tachycardia (PJRT)
永続性接合部回帰頻拍(PJRT)は減衰伝導特性を持つ副伝導路を介する頻拍です。
減衰伝導特性を持つ副伝導路を通って心室から心房へと興奮が伝わるためlong RP’となります2)。
PJRTは1967年にCoumelによって初めて報告され、当初はAVNRTの一種と考えられていましたが、実際にはAVRTの亜型に分類されます。
PJRTは、房室結節を順伝導し、減衰伝導特性を有する副伝導路を逆伝導する房室リエントリーによって引き起こされます3)。
発作時はII・III・aVF 誘導で陰性P波、QRS波は正常洞調律と同じ形を示すLong RPʼ頻拍が特徴です。
PJRTのほとんどの症例では、副伝導路は右後中隔または冠状静脈洞起始部周辺に位置しています4)。
乳児期から小児期にみられることが多く、薬剤抵抗性であることが多いためアブレーションが効果的です5)。
PJRTはその名の通り絶え間なく起こり、洞調律からも頻拍が誘発されるためincessant型となることが多く、治療しなければ心機能低下や頻脈誘発性心筋症（TIC）の発症につながります。
参考文献
1)Old yet new form of permanent junctional reciprocating tachycardia: What is the mechanism? J Cardiovasc Electrophysiol. 2021 Aug;32(8):2312-2315.←APCを伴わずに自発的な開始する。
3)Permanent junctional reciprocating tachycardia in infants and Children. J Arrhythm. 2019 May 15;35(3):494-498.←乳幼児のPJRTのレビュー。診断のための心電図基準にも言及。
4)Permanent junctional reciprocating tachycardia in a patient with an atypically located accessory pathway in the left lateral mitral annulus. Rev Port Cardiol. 2016 Jan;35(1):59.e1-5.←10%の患者で非典型的な副伝導路の部位が報告されている。
5)Clinical Course and Electrophysiological Characteristics of Permanent Junctional Reciprocating Tachycardia in Children. Anatol J Cardiol. 2022 Dec;26(12):880-885.←アブレーションの成功率は95.4％
エキスパートはここを見る心電図読み方の極意 P80-87
